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2006年3月22日 (水)

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猫の話が続きましたので、今回からは取り憑かれた人たちのお話です。
私の育った地方はオカルトがいっぱいです。
これは前出の「睡眠男しんちゃん」に聞いたのですが....。

今から34、5年ほど前、しんちゃんの実家では火事とか交通事故とかが
続いたので、信心深い彼のお母さんは、近所の頼りにしている
拝み屋のおばあさんに相談しました。
「儂の手には負えん。○○家には悪霊がついておる。
行者さまの祈祷所で、夜から行ってお払いしてもらえ!」と言われたそうです。
早速、お母さんは、しんちゃんを連れて、ご祈祷所に行きました。その夜.......。



子ぎつねヘレンがのこしたもの

Book
子ぎつねヘレンがのこしたもの

著者:岩本 久則,竹田津 実

販売元:偕成社

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ご祈祷所とは小さな公民館のような民家で
すでに20人ほどの老若男女が集まっていました。
出された夕食を皆で黙って食べ、しんちゃんはその後
寝てしまいました。どれくらい経ったでしょうか、しゃんしゃんしゃんと
金剛杖の鳴る音がして、行者様が現れました。
行者様は50歳位の、たくましそうな男でした。

お母さんは、「できそうな人だね。これなら大丈夫かも。」と
新ちゃんにささやきました。しんちゃんはなんだか怖くなって
ぶるぶるっときました。「ト、トイレ行きたい!」でも始まったばかりで
お母さんは中座を許してくれません。我慢しなさいといわれ、
なんとか気をそらそうとしていると、行者様はお経のような呪文のような
言葉を始められました。
すると、何人かが反応し始め、「うううう。」とか「あああ。」とか声を出します。
なかには胸をつかんで、苦しそうにしている者もいます。

気持ち悪いのとおしっこがしたくなったしんちゃんは、とうとうその場を抜け出して
廊下をはしり、トイレへ駆け込みました。出すものをだすと少しほっとして
トイレの上のほうに小窓があるのに気がつきました。鍵を外してみました。
少し手にサビがつきましたが、なんとか手が届き、開きました。
男性用のトイレは5人位が入れるコンクリート作りでした。
ずいぶん高いところにあるな。それに小さい。でもそこから月が綺麗に見えて
嬉しくなりました。早く帰りたいなあ。そのとき!

何やら祈祷所の方が騒がしくなりました。
「押さえろ!」とか「辛抱しろ!」とかバタバタ、ドタドタ音がします。
数人の走る音が、廊下に響いたのでトイレから首をだして廊下を見ると
大きな犬のように、男が四つん這いで走ってきます。
え?何?と思う間もなく、その男(?)は「コーン」と一声鳴いて
ジャンプしさっきの小窓から外に飛び出したのです!

しんちゃんははっきり見ました。振り返った男の獣のような目を。
驚きに足が動きませんでした。あんな小さな窓から人間が飛び出すなんて?
あんな高さに犬のように飛べるなんて?なにあの鳴き声は?

呆然として立っていると、「なんで窓を開けた。逃げてしまったではないか!」
行者さんに思いっきり怒られました。
あとでお母さんに聞くと、あれは「狐憑き」で、
何度も精神病院を出たり入ったりしているが
原因が分からないので、親が今日ここに連れてきたこと、
行者さんがお祓いを始めたら逃げ出したこと、そしてあの夜から行方がわからず
探していることを知ったのでした。
今でも月を見るとあの男の姿が、「コーン」という後を引くような鳴き声と目が
思い出されるそうです。
そうそう、しんちゃんの家の悪霊は静かになったそうです。
あの狐憑きさんは今頃どうしているのでしょうか?
                                          

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